車両工作
C11からC10形蒸気機関車を作る
KATO C11 (202)

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以前より我が家で活躍してくれていたKATOさんのC11形蒸気機関車


元々点灯機構のない初期製品でしたが、ヘッドライトやテールヘッドライトを点灯させる工作を行って可愛がっておりました。

ところが先日、レイルロードさんから出ていた
”C10のコンバージョンキット”を入手できました。

C10独特のリベット表現が施されたこの板キット。

古いキットですので、なかなか市場ではお目にかかれないのですが、KATOさんのC11をC10へと変身させることのできる優れものです。

今回はこのキットを利用しながら、さらなるディティールアップ工作にも挑戦しました。

昨年、大井川鉄道で見たC10 8に仕立てるべく頑張ります!

C10 8は昭和5年に川崎重工業車両・兵庫工場で誕生しました。
関東から主に東北地方にかけて活躍し、昭和36年に会津若松機関区を最後に廃車。
廃車後は岩手県宮古市のラサ鉱業に譲渡され、昭和60年代まで同社専用線にて活躍していました。
引退後は同市に譲渡され、観光列車SLしおかぜ号として平成2年まで宮古湾に臨む堤防沿いを走っていましたが、
思うように観光客が集まらず、その任を解かれ、平成6年4月に大井川鉄道へ譲渡。今日に至ります。

このように80年余にも及ぶ波乱の人生ですが、解体のピンチをその都度乗り越えてきたC10 8号機。
東北地方太平洋沿岸の被害は甚大ですが、多くのピンチを乗り越え今尚頑張る8号機が
東北地方、ことさら三陸の人々の復興のシンボルかもしれないと思ったりもします。

感傷的かもしれませんが、宮古の地を再び走る日が来ることを願ってやみません。



工作編

さて、最初の難関はデフレクターの切り離しです。
デザインナイフで少しずつ切り離しました。

下の写真のように、
デフがないだけでちょっとC10っぽく見えます。
次に砂箱と蒸気ドームの位置を入れ替えます。

ご存知の通り、C10では前が蒸気ドーム、後ろが砂箱という構成ですが、C11の二次形以降はこれが逆なのです。

写真のようにドームのモールドを損ねないようにピンバイスでいくつも穴を開け切り離します。

さらに配管などのモールドも削ぎ落としておきました。

エポキシパテでボイラーに開いた大穴を埋めます。

切り離していた砂箱を改めて後部に取り付け、0.3mmの真鍮線を利用して配管を作り直します。

蒸気ドームも取り付け、手摺なども作っていきます。エプロン部分も一度平滑にしてあります。

ここでキットの登場! キャブのモールドを削って、キットの部品を貼り付けます。屋根は延長しパテで段差の補修です。

掴み棒や解放テコ、ステップや砂箱蓋などなど、細かい部品を盛っていきます。
水槽タンクにはキットのものではなくアルミ板を貼り付けて、真鍮部品との段差をなくすようにしてあります。
※現在の8号機は、水槽タンクのリベット表現がなくなっています

キャブの屋根もだいぶ平滑になりましたので、雨樋やキャブ側面ヒサシを加えていきます。
先日工作したC12同様に、市販のディティールアップ部品も取り付けています。

ヘッドライトを付け直し、キャブ前ヒサシや水槽タンク下の配管なども作りました。

形はだいぶC10になってきました。



塗装編

今回も金属部分が多々ありますので、
塗装の前には洗浄とプライマー処理が欠かせません。

左の写真はプライマーを吹いたところ。

さらにエアーブラシの入りにくい細かいところに予め筆で黒を塗った上、黒を吹いたのが下の写真です。

ガラスや安全弁などを取り付け、ついに上下合体です。仕上げはつや消しで。

それにしてもこのコンバージョンキットは大した物です。私の腕でもそれなりのC10が出来上がりました(笑)。



完成編

いつもの汽笛(新C62用のASSYパーツ)を取り付け、前後に架線注意のシールを貼って完成とします。

先輪にはちょっと大き目のB6の従輪を流用してみました。

コールバンカ周辺のリベット。これがC10の大きな特徴なのです。

千頭駅で見た本物のC10-8と並べてみてみます。

やっぱり本物の存在感は凄いですね。今年も大井川鉄道へ会いに行きたいなぁ・・・
でも、今ガソリンが高いからなぁ(笑)。



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