車両工作
ジャンクパーツと紙で江ノ電”ポカリスエット号”
江ノ島電鉄1000形電車

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極楽寺と稲村ヶ崎の間で撮影したこの写真では懐古調の20形塗装ですが、ラッピング電車などで活躍している1000形電車。

最近の江ノ島電鉄(以下・江ノ電)の車両の中では、レトロ調の10形電車と並んで大好きな電車です。

そんな1000形電車のキット(グリーンマックス製)のジャンク品を超格安にて手に入れてしまいました。


おまけの600形車両パーツはともかく、↑の写真のように側板がないという困ったちゃん。
妻面や屋根、動力とデカールもあるのは救いなのですが。

今回はこのパーツを利用しつつ、大好きな江ノ電1000形を作ってみようと頑張った記録です。
出来はいつものように私なりですが、役に立たないような部品でも何とかなったということで公開いたします。
ご参考になるところがあれば幸いです。

では、Let's工作!



ボディーの工作編

横浜市電静岡鉄道のデワ1などの時と同じ様に、ボディー側板を紙の積層(今回は2層)にて工作してみました。



キットは元々TOMIXさんのベルニナ動力を利用するタイプのため、車体の長さが窓一枚分長くなっています。


今回は正規の江ノ電の長さに合わせてボディーを作成しました。屋根板もそれに合わせて切り詰めてボディーに接合。


タミヤパテで屋根とボディーの隙間を埋めて全体にペーパーをかけて、屋根裾のなだらかなライン表現してみました。



2層では側板の強度に若干の弱さがあったため、後から裏打ちをしましたが、それでも窓枠の柱などにちょっと脆さが出てしまいました。
この様に出来が良い訳ではありませんが、それでも何とかボディーの大枠が完成しました。



動力の改造編


ご存知の方がほとんどだと思いますが、江ノ電の車両はこの様↓に2両が永久連結の連接車で連結部分に台車があるスタイルです。



一方、キット付属のベルニナ動力↓は、2両で台車が4個という普通のタイプですので、何とか連接車に出来ないかというチャレンジです。


とりあえず動力ユニットを分解してみて考察です。



逡巡した結果、黒で印をつけた線の部分でボディーの長さに合わせてダイキャストを切断することに決めました。


蒸気機関車のライト点灯の際に使った金ノコを利用してダイキャストを切断。


さらに動力のない側の底板も切断。


はみ出してしまったウエイトも金ノコで同様に切断。


T車側の台車をあてがってみました。この様に連接できれば良いのですが・・・。ここからが頑張りどころです。


Bトレインショーティーの連結パーツと動力の短縮化で余ったネジを利用して連接してみました。


余ったT車側の台車をこの様に加工しています。


色々と試行錯誤や微調整を行いながら、連接車として成立することを確認。試運転のカーブも大丈夫でした。


ボディーを被せてみますとこんな感じ↓です。連結面が長いものの、江ノ電の風になってまいりました。


またこの後、江ノ電には不要な連結機下の水タンクのディティールを切削しました。



ボディーの塗装編

今回江ノ電の1000形ということで標準的な塗色もありだとは思ったのですが・・・
キットに”ポカリスエット号”のデカールがあったことに触発されてポカリスエット色で作成することに決定!
モデモさんでも”ポカリスエット号”は出ていませんので、オンリーワンを目指して。
※この決断がグリーンマックスさんの罠であることに、この時点では気がつかず

ボディー色はインディーブルーとしました。ポカリスエット色としては濃いかとも思いましたが、吹いてみるとなかなか良い感じです。


屋根はニュートラルグレーにて塗装しました。色を吹くとボディーの紙っぽさがかなりなくなった気がします。


ポカリスエット号は1002-1052編成でしたので、ライトは1.5mmのつぶし玉を利用して丸目へと改造。同時にテール周りにも色入れ。


ここでやっと気がついたのですが
キット付属の”ポカリスエット号”のデカールは2枚のみ。貼る場所は4ヵ所。
なんで2枚だけ付属?? もう1セット買えってか!?
まんまとGMさんの罠に引っかかってしまいました。
トホホ…。

でも、きっと私と同じくトホホな思いをした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ということで、色々考えた挙句、
←のようなホワイトタイプのインクジェット粘着フィルムを利用して
オリジナルでポカリスエットのロゴを作ってみようということに。

で、作ってみたのが↓

ボディーのインディーブルーに合うように2種類を印刷し、
色合わせを行った結果、結局下段のものを使うことになりました。


因みにポカリスエットのロゴに下の文字は、
「成功させよう!!
湘南100年フェスティバル」
と表記されており、
文字の左横のマークは、
太陽が海面から出てくるところを模しているのだと思います。


写真を参考にお絵かきソフトですべて手書きしてみました。
※ポカリスエットのフォントは角ゴシック、文字は丸ゴシックで

貼ってみると、こんな感じ。現物は写真よりも良く馴染んでいる気がします。アルミテープを細く切って靴擦りも表現してみました。


車番デカールや行き先シールなども貼ってみました。上から半光沢を吹いて保護艶出し。


ボディーを切り詰めた分若干の省略はありますが、屋上機器も装着。基本灰色1号ですが、クーラーだけはクロームシルバーに。

側面ガラスを貼り、正面ガラスも取り付けました。
正面ガラスのHゴムは→の様に黒マジックで色入れ。

一方、側面窓のHゴムの表現は極めて軽くしました。
厚めにすると清潔感が出ないことは、
以前のEF65工作
の時に痛いほど感じたので(笑)。

ポカリスエット号、だいぶ出来てきました。



ヘッドライトの点灯編

折角自作したのですから、ひとつくらいモデモさんよりアドバンテージが欲しいなぁと思い、ヘッドライトを点灯させようと思いました。
このサイトではお馴染みのチップLEDを利用して、既存の集電機構を活かしつつ下の様に仕込みました。


ヘッドライトへは光ファイバーを用いて導光。とりあえずテストはOK!


なかなか良い感じです。



仕上げ&完成編

パンタグラフ(PT42)を装着し、発車ベルを新造。ボディーの内部には遮光と動力の目隠しを兼ねて黒い紙を当て込んでいます。


ボディーを被せて完成です。完全に言い訳ですが、少し凹凸のあるボディーが逆に本物っぽかったりして(笑)。


連接部分の幌には、厚紙をコの字型に折って中間台車と接着しています。


借りてきたモデモさんの明治製菓号2004(厳密には1500形)と見比べる、当然ながら台車や床下などの差異がかなりあります。



連接部分の間隔の広さが一番気になりますが、やっぱり商品はすごいですねぇということで。
それ以前に完成度などにも大きな差異がありますが・・・、まぁ、今後の課題として。

役に立たないような部品でも、使い方次第でオンリーワンになる可能性を秘めている。※そんな大したものではないが


作成中の試行錯誤も含めて、今回も本当に楽しい工作でした。私にとってはオンリーワンの江ノ電となりそうです。



後日談 (2010/5/10)

その後、床板の前妻を削る形で、連接部分の間隔を少しだけ詰めました。(下方が改良したもの)




製品には及びませんが(笑)


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