車両工作
ジャンクな電気機関車の再生 その2
KATO EH200 (3045)

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地元・横浜は根岸駅周辺でもよく目にすることの出来る電気機関車EH200。

EF64重連運用解消を目的として開発された連結8軸のH形直流マンモス機関車で、愛称はブルーサンダー!
金太郎さん(EH500)もそうですが、H形という車両は見慣れぬせいか不思議な魅力があります。
※子供の頃、F1カーでティレル(その頃はタイレルと呼んでいた)の6輪だか8輪だかを見たときのような

そんな魅惑的なEH200ですが、何とかしてあげたいジャンク品を見つけてしまいました(笑)。

細かな部品を外した状態のボディーはこの通りです。

どうやら前オーナーは、ナンバーを削り落として銀色にてオールペイントしようとして挫折してしまったようです。
救いなのは動力が元気で、屋根パーツなどを外してから銀色の塗装を行おうとしていたことでした。

この車両を復活させるため、私なりに色々と考察した結果、以下のような問題点が出てきました。
1.KATOさんのEH200は、EH200-1をプロトタイプにしている(裾帯の幅が広い)
2.ブルーサンダーのロゴ再生に手間がかかることが予想される


そこで、今回は試作機として位置付けられているEH200-901で復活させようと思い、
量産機と比べたEH200-901の特徴を調べた結果が以下の通りです。
1.ボディー側面のブルーサンダーロゴがない
2.側面ナンバーやJRFマークの位置が異なる
3.運転席窓にセンターピラーがあり、ワイパー形状が異なる
4.窓上雨どいがない
5.窓下ライトの上の手摺がない
6.解放テコカバーがない

これらの相違点を見ると、都合が良いことに現状のモールドを削除する部分が多い。
まさに”渡りに舟”といった展開です。

現状が現状ですので、今回も大胆に工作したいと思います。




ボディー工作

まずは現状のボディーの塗装を落とすことから始めました。

IPA(イソプロピルアルコール≒ガソリンの水抜き剤)のプールへ浸し、2週間ほど放置しました。その後、電動歯ブラシで磨いて塗色を落とし、ほぼ成型色のEH200が姿を現しました。
※これはこれで逆に貴重な姿かもしれません

ナンバーなどはすでに削れていたのでそのままにして、溝をパテで埋め、表面を平滑に均しました。ついでに正面のモールド(雨どいやライト上の手摺)なども削り落としてしまいました。


さぁ、塗装開始です。まずは下地色としてインディーブルーを吹きました。



マスキングをしながら、スカイブルーを吹いてラインを作っていきます。







ここまで結構な時間をかけて塗ってきました。最後にタミヤカラーでライト周りと運転室扉に着色です。



ボディーと仮合わせしてみました。再生の道程はまだ遠いですが、結構雰囲気は戻ってきました。



さてさて、さすがに塗装でロゴなどを復活させることは私には無理なので・・・

ポカリスエット号作成時に使ったこれを使ってロゴなどを作成することにしました。

とりあえず、JRFマークから作ってみましたが、どうでしょうか。



さらにナンバー、メーカープレート、運転席側窓下のJRマークなども作ってみました。





ライトリムなどに銀色を差し、運転席窓下の手摺を0.23mmの銅線にて作成しました。





その他の部分工作

ボディーは塗装が主でしたが、ここからは細部の工作です。


まず、901号機にはない解放テコカバーのモールドを右の様に削り落とします。
※解放テコのモールドが最初から無いことは好都合でした

その解放テコは、いつものように0.3mmの銅線で自作。
これは見えないお洒落!?
運転席内を実車の様にブラウン系で塗装(右)。

901号機はワイパーの形式が他の量産機と違うので、ワイパー自体を1000番→1500番の耐水ペーパーで削り落としました。 センターピラーを裏から太めに。ワイパーは表からマジックで書きました。
後から見ると2000番以上の耐水ペーパーでもう少しケアしてあげれば良かったなぁと若干後悔・・・。

それと、前照灯のLEDが白すぎるので、いつもの様にオレンジのマジックで電球色っぽく仕立てました。




完成編

正面 そんなこんなで、やっと完成したのがこの901号機です。

粗さが目立つのは恥ずかしながらいつものことですが、入手した時点の状態からすると、何とか復活させられてといっていいのではないかと思います。

我が家には牽かせるタキがいないので、しばらくはコキを牽いてもらおうと思っております。
公式側
非公式側

しばらく経ったら、また至らぬところに手をかけてあげたいと思っております(笑)。



後日談 (2010/07/23)

その後、1エンド側のカプラーをナックルカプラー、2エンド側をアーノルドカプラーに変更して、気になっていた運転席窓ガラスのくすみを取るべく、2000番の耐水ペーパーでケアし、仕上げにクリアー(光沢)を薄く溶いた溶剤でコートして見ました。

その結果、かなり透明度を回復することが出来ました。当たり前かもしれませんが、”クリアー”は文字通り”クリアー”なのですね(笑)。

透明度を回復できたので、運転席に運転士さんを乗せてみました。

現在、ふっるーいタンク車たちを牽引中です。新しいタキ1000だったらいいのにね。



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