車両工作
新旧EF58をニコイチで楽しむ
KATO EF58(306-3&3020-7)

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鉄道博物館で出会ったEF58形直流電気機関車89号機、通称パック。
1956年(昭和31年)製造、青大将色にて特急つばめ(大阪発・東京行)の上り一番列車を牽引した由緒ある機関車です。


1964年(昭和39年)に高崎第二機関区へ貸し出された際に特徴とも言える運転席窓上のヒサシ(ツララ切り)が装備されました。
以来、幾度かの解体の危機を免れ、現在も鉄道博物館に展示されている大変運の良い電気機関車です。

小学校に上がったばかりの頃のブルートレインブームから始まった私の鉄道への興味は、
EF65などの新性能電気機関車へと傾き、まだわずかに見ることのできた茶色い旧式電気機関車には向くことはありませんでした。
EF58も大船駅で見たことはありましたが、視界を覆わんばかりの大きな機関車という記憶だけがかすかに残っています。

私にとってはそんなに身近な機関車ではなかったEF58でしたが、
プラモデルで青大将色を作成したり、 89号機に会ったりしている内にEF58への憧憬が蘇えってきたのです。

「Nゲージで私なりのEF58-89を作ろう!」

幸か不幸か、私のジャンク箱にはだいぶ前に手に入れたEF58 初期形 小窓 特急色(3020-7)の動力が眠っていました。
このことが今回の工作計画を大いに後押しした感が否めません(笑)。



動力側(3020-7)の工作

EF58 初期形 小窓 特急色(3020-7)の動力は、フライホイール付の静かで上品な動力です。

特急色特有のグレー台車です。
まずここより手を入れていきます。
台車や空気溜めなどを分解した上で、軟質プラスティック部分にプライマーを塗り、十分乾燥した後から黒を塗っていきました。
車輪輪芯にも黒色を差してみました。
組み上げるとこのように普通の黒台車が完成です。

運転室のモールドへ灰緑で色を差したりすると、もっと実感的になると思います。




ボディー側(306-3)の工作

手始めにKATOさんの旧製品(306-3)を安価で手に入れました。

前オーナーの愛情によってディテールアップされている車体でしたが、屋上の汚しや追加パーツの未塗装、電暖灯の取付位置ミスによる穴あきなどなど、前オーナーの愛情も途中で潰えてしまった様です。

ただ素材自体は悪くありませんので、今回はこちらのボディーと先の動力とをニコイチにして、私なりのパックを作っていきたいと思っております。
各部品を分解します。

当初はこのままのボディー状態(↓)で未塗装部分に色を差していこうかとも考えたのですが、全体のバランスも考えて全塗装することを決めました。

IPA(イソプロピルアルコール≒ガソリンの水抜き剤)のプールへ一昼夜浸し、電動歯ブラシで磨きました。

するとこの通り、黒い成形色の地肌が露になります。

電暖灯の取付ミス穴をパテで塞ぎ、流用パーツよりEF5889のナンバーを取り付けてみました。
正面のナンバーも取り付け、
周りの溝を溶きパテにて埋めました。
さらに窓下の乗務員用手摺も作るべく、
ピンバイスで慎重に穴を穿っていきます。
0.3mmの真鍮線にて手摺を自作。
歪んでいたヒサシパーツも取り付け直しました。

ここまででボディーの大まかな工作は終了です。




塗装


鉄道博物館のぶどう色にするか、青色にするか散々悩んだ挙句、
Hゴム化直前の昭和45〜46年ごろの宇都宮機関区時代(?)という設定で青色にすることにしました。

金属部分にプライマーを塗り、十分乾燥させます。

普段ですとサーフェイサーを先に吹くのですが、現在のモデルに比べるとモールドが浅い気がしたので、今回はサーフェイサーなしで直に吹き始めました。

ボディー色はGMカラーの青15号にて。
塗装方法の原則としては、薄い色を先に塗ってから濃い色を乗せていくことになっております。

本来ならば、クリーム1号を塗ってからなのでしょうが、マスキングの都合で青15号から吹いていきました。
マスキングはするものの、どうしてもはみ出したりします。ちょこちょこと手直しするのですが、これが大変です。

それでも、クリーム1号を塗ると雰囲気が出てきますね。

特急帯やナンバー、避雷器に銀を差し、銀河モデルさんの製造銘板(日立)も取り付けてみました。

屋上は黒にて。その他、乗務員ステップやモニター窓枠などにも色を差していきました。

パンタグラフも素の状態ですと少々実感的でないので、手をかけようと思います。

まずプライマーを塗った上で、銀色にてペイントしました。
擦り板や碍子などに色を差すと結構良い感じです。

いつものことですが、塗装には忍耐が本当に必要です(笑)。



その他の部分工作

窓ガラスをはめなおし、ヘッドライトやテールライトのプリズムを戻し、パンタグラフも取り付け直しました。


運転席のワイパーも元のモールドを削り落としてクリヤーを吹き、銀河モデルさんのパーツを利用してみました。
アップで見ると色々と粗も目立ちますが、ご勘弁。
このあと、上下合体させるに当たり、障害になる部分がこのプリズムと運転席窓ガラスのユニットです。

両者とも現物合わせでカットしましたが、プリズムは赤線の辺りでカットし、受光部・発光部以外を黒で塗装しました。

窓ガラスユニットは扉窓部分以降が差し障りになりますので、カットしました。

乗務員掴み棒も白色に塗って取り付け、晴れて上下合体の運びとなりました。

良く見ると避雷器の位置が89号機とはちょっと違ったり、梯子の欠切がなかったりしますが、気にしないことにします(笑)。




完成編

なんとか私なりのパックが出来上がりました。

おとなしく完成品を買えば良いのにと言われそうですが、構想や工作の過程が楽しいので、もはや中毒みたいなものです。

鉄道博物館で見たぶどう色ではなく、現役バリバリだった頃の89号機ということで作りました。ただ、Hゴム窓仕様ではないので、前述の通りHゴム化直前の昭和45〜46年ごろの宇都宮機関区時代(?)という都合の良い設定にしました。

あまり詳しくない私の勝手な妄想ですので、ツッコミどころは満載だと思いますが・・・(笑)。

旧式機関車の代表として、我が家ではまだまだ活躍してもらえそうです。



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