1999.04.04 No.1
桑田 隠し球で墓穴
巨人4−9阪神 
巨人桑田の「突貫工事」が失敗に終わった。1回表こそ3者凡退と無難なスタートを切ったが、2回表に一気に崩れた。先頭のブロワーズに来日初安打を許し、四球を挟んでの5連打で3失点。「制球が悪かったね。昨日はチームがいい勝ち方をしたのに、それに水を差してしまった」。開幕第2戦の先発を任されながら1回1/3で6失点KO。桑田の99年は苦しいスタートとなった。降板シーンも珍しいものだった。無死満塁からようやく1死を取った直後。桑田がマウンドに近寄ったかと思うと、上本二塁塁審がボークをコールした。桑田にとってプロ通算5個目となるボーク。隠し球を狙い、三塁元木にボールを渡したまま投球動作に入ろうとしたのが、紛らわしい行為と判断された。同塁審は「ボールを持たずに投球に関連する動作をした。それが欺瞞(ぎまん)行為に値すると判断しました」と説明。1994年(平成6年)7月26日の阪神戦(甲子園)でも同じ桑田・元木コンビで隠し球を成功させているがその後打ち込まれている。開幕2週間前の3月18日に風邪を引いて発熱。西武松坂との対戦が期待された3月20日の西武戦登板をキャンセルし、3日間練習を全くしなかった。 3月28日のオープン戦最終試合には登板したが、3回2失点といまひとつの出来。出遅れをカバーしようと、3月30日からの東京ドーム練習でいずれもブルペンに入り投球練習を行った。さらに前日2日の試合前にも約40球のピッチング。「チェックしたいところがあったから」と必死の仕上げで臨んだが、きっちりと守っていた投球間隔を崩すのはやはり無理があった。