我が家のDVD日記

ついにDVDを家庭で簡単に見られるの時代がやってきました!
そこで、私の見たDVDについて紹介することにしました。
「お奨め度」と「あらすじ」・「感想」も書いてみましたので、
ビデオ屋さんで悩んだときなどに参考にしてみてください。

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DVDタイトル 次のページ
数字 ★★★★☆
いまを生きる
★★☆☆☆
エリザベス
★★★★★
海の上のピアニスト
ABC ★★★☆☆
恋におちたシェークスピア
★★★☆☆
BACKDRAFT
DEF ★★★☆☆
Ever After
★★★★☆
FAR AND AWAY
★★★☆☆
さよならゲーム
GHI ★★★★★
チャイナ・シンドローム
★★★★☆
大脱走
JKL ★★★☆☆
JFK特別編集版
MNO ★★☆☆☆
ハムナプトラ
★★☆☆☆
ブリタニック
PQR ★★★★☆
身代金
★★★☆☆
RONIN
★★★★★
ミッドナイト・ラン
STU
VW ★★★★☆
レナードの朝
★★★★☆
ロボコップ
★★★☆☆
ロボコップ2
XYZ ★★★★★
わが命つきるとも
個人的な評価基準 ★★★★★
コレクションに加えたい!
★★★★☆
もう一度借りたい!
★★★☆☆
もう一度見てもいいかな?
★★☆☆☆
多分もう見ないだろう…
★☆☆☆☆
二度と見ないな、きっと…

レナードの朝 ★★★★☆
(日本語音声有) 2000/06/17
レナードの朝  
1990年/120分/監督:スティーブン・ザイリアン

Story
 舞台は1969年のアメリカ。植物をこよなく愛するセイヤー(ロビン・ウィリアムス)は生活の糧を求め、大学の研究室から精神科病棟の医師として勤めることになる。そこは通称「庭」と呼ばれ、そこで彼が見た患者は皆「生ける屍」であった。患者らは原因不明の眠り病に冒され、30年以上もの間「遠く」へ行ったままの状態が続いていた。 しかし、患者を診察する間にセイヤーはあることに気づく。「彼らは生きる屍ではない」こと。
 患者は各々ある一定の刺激によって目覚めるのである。あるものはボール、あるものは接触、あるものは音楽…。セイヤーのそんな発見を仲間の医師らは冷ややかな目で見つめ、ともすれば「おまえも患者か?」という目で見られる始末。それでもセイヤーは看護婦らの献身的な意思によって研究を続けていった。そしてささいな発見は、もはや確証に至っていた。
 この時代のアメリカは何もかもが凄い勢いで進歩をつづけていた。科学は人類を月に送り、薬学も同様の進歩を享受していた。「L-Dopa」という、別の脳障害の特効薬もまたそうして生まれた。セイヤーはこの薬にかけてみる決心を固めた。
 被験者はレナード(ロバート・デ・ニーロ)。小学生の時に眠り病を患ったままの彼には老いた母がいた。セイヤーは彼女に「L-Dopa」を試用したいと申し出る。効果が約束できるわけもない。どんな副作用があるかもわからない。あるのはただセイヤーの熱意のみである。当初、母はこれを拒む。
「いまさら戻って来てあの子に何があるの?」
「あなたがいるではないですか」
セイヤーは母を説得し、レナードに投薬を開始した。そして奇跡は起こるのだが…。

Impression
 実話をベースに描かれている映画のため、単なるハッピーエンド的な映画ではない。1960年代アメリカの栄光と挫折を映画を通して象徴的に感じた。そして月並みではあるが、健康であることの大切さを再認識した。
 精神病棟というある意味タブー的な題材を、決して悲観的に描いていない部分は、私自身の持つ偏見がクローズアップされたためであろうか? 医師の倫理・職業意識の希薄さが叫ばれる昨今、ともすれば無機質になりがちな医療現場を舞台にしたにもかかわらず、セイヤーの持つ熱意と患者たちの生きることへの熱意が私の心までも熱くさせてくれた。
 ロバート・デ・ニーロとロビン・ウィリアムスの熱演も見逃せない。ウィリアムスの屈託のない笑顔とデ・ニーロの役作りに対する厳しさに「久々にいい映画を見たなぁ」と感じた。

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恋におちたシェークスピア ★★★☆☆
(日本語音声有) 2000/06/24
恋におちたシェークスピア
1998年/123分/監督:ジョン・マッデン

Story
 時に1593年、舞台のイギリスはエリザベス朝。文化・芸術奨励の気風強く、芝居においてもその気風は同様であった。ロンドンではカーテン座とローズ座という2つの劇場が覇権を競うが、一方の覇者ローズ座は現在ペストで閉鎖中。ローズ座に物語を書き下ろしていた2流作家のシェークスピア(ジョセフ・ファインズ)も才能の泉が涸れた状態。どん底の状態から物語りは始まる。
 淫猥で扇情的と当時の劇場は当局の目の仇だった。仇である劇場が存続できるのは女王陛下の芝居好きのお蔭である。シェークスピアはローズ座に「ロミオと海賊王の娘エセル」を書き下ろし、オーデションを行う。しかし参加するのはお世辞にも素晴らしいと言いかねる輩ばかり。その中で異彩を放ったのはトマス・ケント。この時代、舞台に女性が上がることが法律で禁止されていたため、芝居にあこがれた若く美しい富豪の娘ヴァイオラ(グィネス・パウトロウ)は男装してトマス・ケントになりすまし舞台に上がったのだ。このヴァイオラに恋の炎を燃やしていたのがシェークスピアであった。しかし、シェークスピアはケントがヴァイオラであることに気づかない。
 ケントがヴァイオラであることを知ったときには、シェークスピアはすでにヴァイオラとの恋におちていた。しかし、ヴァイオラにはウェセックス卿という親同士が決めた結婚相手がいた。これに抗うことはすなわち女王陛下にそむくことになる。もちろんヴァイオラはウェセックスを愛してはいないし、シェークスピアこそを無二に愛していた。シェークスピアとヴァイオラの恋心は燃え盛り、それにともなって物語も「ロミオとジュリエット」として完成していった。
 上演間近のある日、密告者によってローズ座は閉鎖に追い込まれる。「女(ケント)を舞台に上げた」ことが当局に知れたのだった。はたして「ロミオとジュリエット」はお蔵入りになってしまうのか? そしてシェークスピアとヴァイオラにはいかなる運命が待ち受けているのだろうか?

Impression
 正直な話、最初の10分くらいは取っ付き難かった。16世紀末の英国の文化や時代背景が私の予備知識としてなかったためであろう。エリザベス王朝についての知識が若干でもあれば、このような取っ付き難さはないと思う。
 ぎらぎらしていて、いかにも若きシェークスピアという感じのジョセフ・ファインズと非常に透明感のあるヴァイオラ(グィネス・パウトロウ)の対比は面白い。特にグィネス・パウトロウのトマス・ケントとヴァイオラの二役は見ていてドキドキするものがある。この二人が「ロミオとジュリエット」を実演していくのだから、物語にはおのずと引き込まれていく。
 物語りも面白いが、セットや衣装も大変良く出来ていて物語の面白さを引き立てている。といっても前述の如く16世紀英国の風俗を知らない私が良く出来ているといっても説得力はないのだが…(笑)。個人的にはエリザベス女王(ジュディ・デンチ)の演技と衣装がお気に入り。
 難点を挙げるならば、ちょっとラブシーンが多すぎることか。見ていて「もう結構です」というくらいラブシーンが多い。これには各個人の主観もあるだろうが、私にはちょっと多すぎるような気がした。

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ハムナプトラ(失われた砂漠の都) ★★☆☆☆
(日本語音声有) 2000/07/01
ハムナプトラ(失われた砂漠の都)
1999年/124分/監督:スティーブン・ソマーズ

Story
 古代エジプトにイムホテップという大神官あり。王の妃と愛を通わせ、妃とともに王を殺害。妃は自害し、イムホテップはハムナプトラ(死を司る都)へ走る。ハムナプトラに到着したイムホテップは妃を黄泉の世界から復活させる儀式を執り行うが、今まさに復活せんとする時、イムホテップをつけて来た衛兵らによって儀式を阻止され、身柄を拘束されてしまう。イムホテップの部下らは生きながらにしてミイラにされ、彼自身は生きながらにしてスカラベとともに棺に封じられてしまうという酷い刑罰を受け、憎悪に満ちたまま果てるのであった。
 数千年のときを隔てて1923年。古代エジプト文字を解読できるイギリス人女性エヴリン(レイチェル・ワイズ)はふとしたきっかけで伝説上の遺跡ハムナプトラから生還したというアメリカ人男性オコーネル(ブレンダン・フライザー)に出会う。オコーネルはハムナプトラよりカギを持ち帰っており、エヴリンの兄ジョナサン(ジョン・ハナ)がそれを掏り取ったことによって、3人のハムナプトラへの凸凹道中が始まる。

Impression
 前評判が高かったので期待していたのだが、結果、私には向いていないことがわかった。
 「アクション? ホラー? ラブストーリー? ファンタジー?」
以上のような要素はそれぞれ存在するのだが、どの要素にもこれといって長けていない。ストーリー的にはありきたりのものであると感じた。物語の伏線は非常に細かく張ってあるのだが、納得のいく形で活きていないような気がする。これは非常に残念なところである。
 但し、CGの出来は素晴らしい。ミイラなどが違和感なく実写にマッチしていて非常に良く出来ている。セットや砂嵐などの効果(CG)も目を見張るものがある。
 キャスティングもなかなか面白い。しかしもう一度みたいかというと、私の答えは「No」である。  

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身代金 ★★★★☆
(日本語音声有) 2000/07/08
身代金
1996年/120分/監督:ロン・ハワード

Story
 エンデバー社を一代にして全米第4の規模を誇る航空会社に育て上げたトマス・ミューレン(メル・ギブソン)。そして彼の愛すべき妻ケイト(レネ・ルッソ)と息子ショーン(ブラウリー・ノルティー)。幸福を絵に描いたようなこの家族に、ある日突然不幸が降りかかる。
 「息子ショーンが誘拐された。」
 トム(トマス)はある事情によってFBIにわだかまりがあるものの、妻の積極的な勧めでFBIに捜査を依頼。ホーキンス捜査官(デルロイ・リンド)率いるプロフェッショナルな一行がミューレン家に到着した。犯人から電話があり、身代金200万ドルの要求を受けたトムは紆余曲折を経て取引に臨む。しかし、取引場所に現れた犯人の一人をFBIが射殺してしまう。
 FBIに絶望し、犯人に子供を帰す気がないことを鋭敏に察知したトムは、思いもよらぬ行動をとる。

Impression
 軽いノリで見始めたのだが、どんどん引き込まれてしまった。我々が見慣れているTVドラマの誘拐モノとは一味も二味も違う本格派である。犯人の心理、被害者の心理を巧みに描写している。上の「あらすじ」も見る人の楽しみを奪ってしまう恐れがある為、かなり抑えて書いた。
 メル・ギブソンの熱演も非常に素晴らしい。決してカッコ良くはないのだが、息子を誘拐された父親という役を素敵にこなしている。また劇中に3度「逆ギレ」を起すところは必見である。我が家ではこの映画のタイトルは「逆ギレ父ちゃん」とか「パパ、キレないで」がふさわしいのではないかと話している(笑)。
 もちろん脇を固める俳優も非常に良い。妻役を演じるレネ・ルッソ、FBI捜査官を演じるデルロイ・リンド、そして犯人役のゲイリー・シニーズ、それぞれがはまり役の感がある。  

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RONIN ★★★☆☆
(日本語音声有) 2000/07/15
RONIN
1998年/121分/監督:ジョン・フランケンハイマー

Story
 パリに集結した金目当ての猛者ども。サム(ロバート・デ・ニーロ)、ビンセント(ジャン・レノ)をはじめとする5人の猛者を束ねるのは、冷ややかな美しさを備えるディアドラ(ナターシャ・マケルホーン)。彼女は某老紳士の依頼を仲介する役目にあり、与えられた依頼の内容は「あるアタッシュケースを奪取せよ」というものだった。
 互いに素性すら知らない彼ら6人は各々の特技を下に作戦を立てていくが、所詮は寄せ集め部隊である。落伍者もあり、作戦は必ずしも楽ではなかった。激しい銃撃戦の後にやっとのことで奪取したアタッシュケースも、故あって彼らの手より離れてしまう。
 国際社会を巻き込んだアタッシュケースの争奪戦の勝者は、果たして誰になるのであろうか?

Impression
 見終わってからの素朴な疑問は「アタッシュケースの中身は何だったの?」であった。最後まで物語のキーとなる謎を明かさない演出手法をMacGuffin(マクガフィン)と呼ぶそうだが、物凄く重要な物なのかもしれないが、逆に思いっきり下らない物かもしれないと面白く思った。
 銃撃戦やカーチェイスなどの迫力が凄まじく、またロバート・デ・ニーロとジャン・レノが味のある演技を見せてくれる。
 物語中盤にタイトルであるRONIN(浪人)について語られる場所があるのだが、「西洋ではまだ日本が間違った形で理解されてるんだな」と思わせる場面もあった。その場面に日本のディオラマがあり、出来は良いのだが設定は滅茶苦茶であった。良い悪いは別として率直な感想として。
 映画全体としては良く出来ているのだが、私にはなんとなくすっきりしないものが残った。

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チャイナシンドローム ★★★★★
2000/07/20
チャイナシンドローム
1978年/122分/監督・脚本:ジェームズ・ブリッジズ

Story
 ニュースキャスターのキンバリー(ジェーン・フォンダ)は、カメラマンのリチャード(マイケル・ダグラス)らと共に原子力発電所の取材に訪れる。原発の安全性を取材する立場であった彼らが見たものは、もう少しのところで重大事故に陥っていた原発の制御室の光景であった。
 その場面を隠し撮りしていたキンバリーとリチャードは、そのフィルムをテレビ局に持ち帰りスクープとして放送することを訴えるが、テレビ局の社会的なしがらみによってお蔵入りとなってしまう。
 一方で、原発の現場監督であるゴデル(ジャック・レモン)は、今回の事故が単なる事故ではなく原発の構造的な欠陥であることに薄々気づいていた。根本的な改善なくこのまま操業すれば、今回よりも深刻な事故が起こりうることも了解していた。しかし、操業開始を求める経営者や自分の保身と確信の持てない安全性との間で辛い葛藤に陥っていた。
 キンバリーと接する中でゴデルは社会的良心に目覚め、真実を明らかにする決心をするのだが、そのことによって経済的損失を被る立場の人間から命すら狙われる状況となる。
 ついに原発は稼動を再開した。そこでゴデルのとった行動は? そして原発はどうなってしまうのか? 

Impression
 原発事故を題材にした映画ということで真っ先に東海村の臨界事故が浮かぶと思ったのだが、雪印の集団食中毒問題の方に近いと思った。規定の洗浄回数を守らないのはなぜか? ラインを止めて洗浄を行えば、それだけ生産性が落ちるからである。この映画で言えば、原発の根本的な改善を行えば、稼働日数が減り損失が増えるからである。本来第一に守られるべき安全が守られないところに今回のような事故が発生し、多くの人々が危険にさらされる。経済と安全は共存できないのであろうか? 非常に考えさせられる映画である。
 1978年の映画なのでもう20年以上前の映画であるが、不思議と古くは感じない。日本語吹替えは入っていないが、ぜひとも一度ご覧頂くことをお奨めします。映画に出てくる出演者たちは等身大の私たちなので、善悪は問わず、あらゆる立場の人に感情移入しても面白いと思う。
 最後に「チャイナ・シンドローム」とは、「炉心が融解すると、理論上は地球の裏側の中国まで達する」というところからきている。

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BACKDRAFT ★★★☆☆
(日本語音声有) 2000/07/22
BACKDRAFT
1991年/137分/監督:ロン・ハワード

Story
 1971年、シカゴで有能な消防士が2人の息子を残してこの世を去った。火災現場で同僚のアドコックス(スコット・グレン)をかばっての殉職であった。
 それから20年後、2人の息子は偉大なる父をめざして第17消防隊にあった。兄のスティーブン(カート・ラッセル)は、消防隊長としてアドコックスを含めた仲間を率い火災現場を渡り歩いていた。対して弟のブライアン(ウィリアム・ボールドウィン)は、何をやっても上手くいかず、消防士をめざして6年ぶりにシカゴへ戻ってきた新米消防士であった。
 剛直なスティーブンと優柔不断なブライアンは、その性格もあってなかなか打ち解けられずにいた。立て続けに起こる火災現場においてもそれは同様であった。ブライアンは偉大なる父や兄へのコンプレックスから同じ職場で働くことに疑問をもち、また元の彼女ジェニファーの口利きで放火犯罪調査官のドナルド(ロバート・デ・ニーロ)のもとに身を寄せる。形はドナルドの補佐役だが、ジェニファーのボスである市議会議員スウェイザクが合理化の名のもとに消防署を閉鎖していくことに批判的なドナルドを監視するための差し金であった。
 こうして別々の職場で働く兄弟の前に連続放火殺人事件が起こる。各々のアプローチで連続放火殺人に挑む兄弟は、共通の敵を見つけるのだが…。

Impression
 消防士を題材に兄弟というものを、そして偉大なる父親を持ってしまった息子たちの苦悩も上手く描いている。方や周りの期待を一身に受けて育った優秀な兄。方や「不肖の子」そのままの弟。しかし、2人には確実に同じ血が流れている。
 また、物語中盤で放火犯罪調査官のドナルド(ロバート・デ・ニーロ)が
「火は生き物なんだ。息をし、腹を減らし、憎む。(中略)火がどちらに進むかは火の意志なんだ(中略)火に勝つには(火に対する)愛情が必要なんだ。」
と言う部分があるのだが、なぜかしらこの言葉が非常に印象深く残った。
 物語は非常に良いのだが、枝葉を伸ばしすぎた感があった。その伸びた枝葉を137分の中で完結させるために強引なところを感じた。特にクライマックスでの“死”は必ずしも必要ではなかったのではなかろうか? 枝葉さえ伸ばしすぎなければ、“死”がなくともより素晴らしい映画になる可能性があったと私は勝手に思うのでした。

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JFK特別編集版 ★★★☆☆
2000/07/29
JFK特別編集版
1991年/206分/監督:オリバー・ストーン

Story
 1963年11月22日、世界に衝撃が走った。アメリカ合衆国第35代大統領ジョン・F・ケネディ(JFK・当時47歳)が、合衆国南部テキサス州ダラスで暗殺された。オープンカーでのパレード中に頭部などを狙撃され、ほぼ即死状態であった。地元警察とFBIによる捜査は驚くほど速やかに行われ、大統領を狙撃したのは教科書倉庫につとめるリー・ハーベイ・オズワルドと発表された。しかし、翌々日の24日、オズワルドは刑務所に移送されるところをジャック・ルビーに腹部を撃たれて殺されてしまう。
 この事件にただならぬものを感じた地方検事ギャリソン(ケビン・コスナー)は、ブレーンと共に独自の調査を開始する。
 JFKが狙撃されたのは確かにオズワルドの勤務する教科書倉庫前にさしかかった時だったが、目撃証言には教科書倉庫以外からの銃声を聞いたというものが多数あった。ギャリソンは証人を集めようとするが、遅々として進まない。なぜなら、この証言をおこなった証人が次々と変死していくためである。
 JFKの死後、第36代大統領に就任した副大統領のリンドン・ジョンソンは、この年の12月にウォーレン委員会に真相の究明を命じた。オズワルドはFBIかCIAの手のものではないかという疑惑もあったが、ウォーレン委員会の1964年に公表された最終報告書は、結局のところオズワルドの単独犯とするものだった。
 関係資料の公開も差し止められたギャリソンは「魔法の弾丸」等の状況証拠などから事件の矛盾点を明らかにし、国家と言う巨大な闇に立ち向かうのだが…。

Impression
 ケネディー大統領暗殺と言えば、10人中10人が例の映像を頭に思い浮かべると思うのだが、あの映像の裏にこんなに深い闇が隠れているのかと驚かされる。現在では、ケネディー暗殺がオズワルドの単独犯でないことは既に人口に膾炙していると思うが、改めて映画を見ると背筋に寒いものを感じる。国家とは何なのか? アメリカという最も論理的と思われる国家。自由を愛する国家。正義を重んじる国家。これらは我々の幻想でしかないのだろうか?
 第二次大戦後のアメリカの驚異的な繁栄が光とするならば、光に応じて影が出来る。光が強ければ影は濃くなり、光が傾けば影は長く伸びる。オリバー・ストーン監督の作品は、おしなべてこの影の部分にクローズアップしている。この視点は、画一化や没個性化の進む我々の社会において重要な要素であると私は思う。
 内容的にはお奨めなのだが、いかんせん206分(字幕)は長くて疲れる。「体調が良く、頭脳が明瞭で、時間が余っている」という条件に当てはまる場合には、上記の“★”以上にお奨め度の高いDVDである。

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いまを生きる ★★★★☆
(日本語音声有) 2000/08/05
いまを生きる
1989年/128分/監督:ピーター・ウィアー

Story
 伝統と規律を旨とするアメリカの名門校ウェルトン。全寮制の学び舎はさながら監獄のようであった。生徒は両親や先生に対して常に従順であること求められ、それを疑問に思う余裕すらなかった。彼が赴任するまでは。
 彼とは国語教師でウェルトンのOBでもあるジョン・キーティング(ロビン・ウィリアムス)。キーティングは、生徒が自分のことを「先生」と呼ぶのを禁止し、「キャプテン」と呼ばせる事とした。また、ラグビーボールを蹴ったり、中庭を延々歩くことによって表現することの面白味を伝え、物事を様々な角度から見るために机の上に上がることも教えた。
 当初、その風変わりな授業方法に戸惑っていた生徒たちも、次第に心を開くようになっていった。中でも一部の生徒たちは、キーティングの古い資料をもとに「死せる詩人の会」を結成し、夜な夜な寮を抜け出して洞窟に集まり、自ら思いを語り合うようになる。メンバーは、優等生でリーダー的なニール(ロバート・ション・レナード)、引っ込み思案で無口なトッド(イーサン・ホーク)、おませなで行動的なチャーリー(ゲイル・ハンセン)、年上の女を恋するノックス(ジョッシュ・チャールズ)、笑顔が素敵な機械が好きのミークス(アレロン・ルッジェロ)、ノッポで音楽好きなピッツ(ジェームス・ウォーターストン)、いつも周囲の顔色を伺っている赤毛のキャメロン(ディラン・クスマン)。個性あふれる面々である。
 思春期のあふれんばかりのエネルギーを開放するすべを知った彼らは行動することを始めるが、思わぬ障害に立ちはだかれることに…。

Impression
 昨今の少年犯罪の増加は目を見張るものがある。家庭や学校・友人関係を通じてうわべの人格を築いてきた結果なのであろうか?
 私は思う。思春期の少年少女の感性というものは研ぎ澄まされたナイフの様であり、20代以降を良い意味でも悪い意味でも遥かに凌駕している。そしてその心からこぼれる言の葉は、非常に個性豊かななものとなる。この羨むべき世代が莫大なエネルギーを社会的に誤った方向に向け、犯罪の走ってしまうことは非常に勿体無いことである。更に、その感性のために自らを傷つけてしまうことは、大いなる喪失である。
 ともすれば道を踏み外しがちな少年少女を正しい方向に導いていくには伝道師が必要である。少年少女に媚びることなく、愛情と威厳を持って接するような人物。親であり、先生であり、隣人であり。しかし、多くの場合、愛情を欠いた接し方で少年少女の心を頑なにしてしまうのだが…。
 キーティングは愛情をもって接したが、伝統と規律を重んじる学院にはそぐわなかった。私の学生時代にも同じような経験がある。面白い先生は職員室の主流派からそれており、なんとなく排除されている雰囲気を感じたものだ。職員室という小さな社会でも「出る杭は打たれる」的な雰囲気が蔓延していた。そういった保守的な状況で、「個性を重んじる教育」とはチャンチャラ可笑しい。
 などとまで考えさせられる一本である。情熱を失いかけたときに10代の自分の心を思い出しながらどうぞ!

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ミッドナイト・ラン ★★★★★
2000/08/12
ミッドナイト・ラン
1988年/126分/監督:マーティン・ブレスト

Story
 ロスには凄いビジネスがある。保釈金専門の金貸し、マスコーニ保釈金金融。そこの回収役を演じるのが、シカゴで元警官をしていたジャック・ウォルシュ(ロバート・デ・ニーロ)。回収と言っても金を回収するのではなく、本人を回収するのだから、必然的に命を懸けた修羅場になる。
 今回の仕事は、マフィアのボス・セラノの金を慈善団体に寄付してトンズラした会計士デューク(公爵)ことジョナサン・マーデューカス(チャールズ・グローディン)を1週間以内に捜し出しロスに連れてくる事。マフィアはもちろん、FBIまでが狙っているデュークをそう簡単に捜し出せるのかと思いきや、元警官の地位を活かしてデュークがニューヨークにいることを突き止めたジャック。早速デュークの身柄を確保する。
 あとはロスまで飛べば10万ドルの報酬が受けられるのだが、本当の物語はここから始まる。

Impression
 手放しに面白い! 全編にわたって抱腹絶倒、時に涙あり。伏線の張り方も見事で、有効に活きている。
 劇中に何度か出てくるFBIのモーズリ−捜査官とジャックの商売敵であるマービンの存在が物語を2倍・3倍と面白くしている。また、主演のデ・ニーロとチャールズ・グローディンの双方に共通することは、笑顔が素敵なところ。素晴らしい役者たちである。
 「最近、面白いことがないなぁ」と言っている方に最高におすすめの一品。

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Ever After ★★★☆☆
(日本語音声有) 2000/08/15
Ever After
1998年/118分/監督:アンディ・テナント

Story
 「むかしむかし〜」で始まるおなじみの昔話。グリム兄弟の寓話「シンデレラ」と言えば知らない人はいないだろうが、それが本当にあった話としたらどうであろうか?
 幼き頃のある日、愛する父と何不自由のない暮らしをしていたダニエル(ドリュー・バリモア)のもとに継母のロドミラ(アンジェリカ・ヒューストン)と2人の姉マルガリータとジャクリーヌがやってきた。時を同じくして父が不慮の死を遂げ、ダニエルの運命の歯車が狂いだす。継母のロドミラは自分の連れ子ばかりを溺愛し、ダニエルをお手伝いとしてこき使う始末。
 そんな日々が10年ばかり続いたある日、畑で働いていたダニエルは、父の馬を盗もうとした青年の額にリンゴを投げつけて見事に落馬させた。しかし、その青年は誰あろうヘンリー王子(ダグレイ・スコット)であった。この一件以来、運命の赤い糸は急速に2人を結び付け始めるのだが、継母のロドミラの妨害と身分という壁が立ちはだかる。
 もちろん「かぼちゃの馬車」は出てこないが、燃え上がる恋のキューピット役として当時の異彩レオナルド・ダ・ビンチも登場する。果たして、2人の恋は物語よろしく成就するのであろうか?

Impression
 映画の冒頭に陛下と呼ばれる貴婦人がグリム兄弟に会い、ガラスの靴と肖像画によって「シンデレラ」が実在したことを証明して物語に入るのだが、これはあくまで伏線。この映画をノンフィクション的に見ると設定や時代などに違和感を感じると思う。ヘンリー王子もフランスの王子であると名乗ったが、フランスならば「アンリ」などというようなくだらない突っ込みをしてしまいそうになる。フィクションとして楽しむことをお奨めする。フィクションとして割り切ってしまえば、極めて快活なラブストーリーである。物語の大筋は誰もが知ってる「シンデレラ」なのだから。
 しかし、この映画が陳腐な実写版「シンデレラ」でなく「エバー・アフター」であるところが監督の腕の見せ所なのであろう。例えるなら、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」や「杜子春」などの一連の作品を古典の焼き直しと見るか古典を題材とした創作と見るかに似ている。
 芥川もエバー・アフターも後者であると私は思う。

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FAR AND AWAY ★★★★☆
(日本語音声有) 2000/08/19
FAR AND WAY (遥かなる大地へ)
1992年/140分/監督:ロンハワード

Story
 1892年アイルランド、貧しい小作人の三男として実直に生きていたアイルランド人青年ジョセフ(トム・クルーズ)。貧しくとも慎ましく生きていた彼の父が小作騒動に巻き込まれて重傷を負うという事件が起こった。虫の息で我が家に戻ってきた父は「土地を持て。土地を持った時に祝福してやるぞ」と言い残してこの世を去った。
 ジョセフは腹に据えかねてイギリス人大地主を暗殺しようと屋敷に乗り込んでゆく。なかなか暗殺のチャンスを得ないまま馬小屋に隠れていたところを大地主の娘シャノン(ニコール・キッドマン)に見つかり足に怪我を負わされてしまう。暗殺も失敗に終わり、このままでは罪人として処刑されてしまう。逃げねばならなかったが傷も深かった。
 一方、シャノンは大地主の娘という立場に辟易していた。そして以前から暖めていた新大陸への移住を実行に移そうとしていた。ジョセフに興味を持ったシャノンは、彼を新大陸までのお供として誘うが、敵の娘の誘いを受けるはずもない。しかし「移住者には土地を只で貰える」という言葉につられてジョセフはシャノンと共に新大陸へ向かうこととなった。
 新大陸に着くには着いた。しかし、新大陸にはシャノンが思い描いているような甘い夢はあまりに少なく、ジョセフがこれまで味わってきたような厳しい現実ばかりが待っているのだった

Impression
 非常にスケールの大きい映画である。アイルランド・アメリカを舞台にトム・クルーズとニコール・キッドマンが快活に演じている。ラブストーリーだが、そんなに鬱陶しくない。自然な感じがある。
 新大陸到着後、シャノンとジョセフの主従関係が段々と逆転していくところなどは非常に面白い。また伏線の張り方が上手く、ラストシーンは感動しつつも大笑いしてしまった。「少しマイナーな映画かな」と思って借りたのだが、非常に楽しめる一本であった。
 バブル崩壊時、土地神話も同様に崩壊したが、「やっぱり土地の持つ魅力は強ぇ〜なぁ」と再認識させられた。

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わが命つきるとも ★★★★★
2000/08/26
わが命つきるとも
1966年/120分/監督:フレッド・ジンネマン

Story
 1528年、英国王ヘンリー8世(ロバート・ショー)は若く美しいアン・ブーリンとの結婚を強く願っていた。しかし、王には既にカテリーヌ妃が嫁いでいた。英国はカトリックの国、離婚は御法度。どうしても離婚する場合にはローマ教皇の許しが必要だった。
 王の離婚という難局を迎え、白羽の矢が立ったのが王の信望も篤いトマス・モア(ポール・スコフィールド)であった。彼の能力をすれば教皇への説得も可能であると、ヘンリー8世は様々な手を駆使してトマス・モアへの協力を依頼する。しかし、信仰心の篤いモアは首を縦には振らない。大法官という要職にも任命し、懐柔を試みるが、モアは信念を曲げようとはしなかった。
 ついに堪忍袋の緒が切れた王はをローマ教皇から独立した英国教会を設立。自らがその頂点に座る事によって離婚を成し遂げる。そのことを認めようとしないモアを憎々しく思った王は、モアを投獄し、自らにおもねることを要求するのだが…。

 トマス・モアの主著『ユートピア』は1516年に刊行された。ユートピアという架空の国の見聞録の形で共産主義や男女平等・宗教上の寛容などを説いたもの。

Impression
 宗教への信仰と主人への忠誠との狭間で葛藤する人間模様が見事に描かれている。舞台が16世紀イギリスなので宗教はキリスト教であるが、別に宗教色の強い話ではない。むしろルターによる宗教改革後の宗教情勢ということでかなり俗っぽく描かれているような気がする。宗教アレルギーのある人でも映画として楽しめると思う。
 正義や道徳といったものが必ずしも正しいとは言わないし、ある意思によって作り上げられた幻想であるかも知れないということを否定もしない。であるから、正義・道徳といった言葉を使うのは私個人あまり好まない。しかしあえて使うが、その正義や道徳が廃退し汚職と偽善が蔓延した社会に自らの信念を貫こうとした偏屈者がいたことに「人間社会の面白さ」を感じた。
 映画の分類的には、史劇になると思う。アクション無コメディー無、ラブロマンス無。現代映画に必須のヒット要素が全くないこの映画がこれほどまでに面白いのは何故であろうか?
 派手なアクションや荒唐無稽なコメディー・美しいラブロマンスなどに酔いたい時にはお奨めは出来ない。たまには真摯に自分と向き合ってみたい時にお奨め。  

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大脱走 ★★★★☆
2000/09/02
大脱走
172分/1963年/監督:ジョン・スタージェス

Story
 第2次大戦中のヨーロッパ戦線。ドイツのとある捕虜収容所が物語の舞台である。この収容所は、特に脱走癖のある者たちを集めた場所である。それだけ警備も厳重であるがそんなことに臆するつわものどもではなかった。
 号令一下、チームワーク良くドイツ兵の目を掻い潜り、3本ものトンネルを掘り始める。これは250人もの大脱走計画である。同時に身分証明書や衣類なども様々な方法で調達していく。
 いよいよ、脱出決行日である新月の夜。途中のアクシデントによって、最終的には1本のトンネルからヒルツ(スティーブ・マックィーン)ら76名が脱出に成功する。しかし、ここはドイツ国内。脱出を果たした捕虜たちには、容赦のない現実が待ち受けるのである。

Impression
 今に至っては古典中の古典だが、非常に面白い。「どうやってトンネルを掘るの?」「どうやって品物を調達するの?」などなど見ていて一緒にどきどきしてしまう。それがまた史実に基づいた映画であるところに新鮮な驚きがある。
 スティーブ・マックィーンやチャールズ・ブロンソンといった豪華な俳優陣もさることながら、軽快な大脱走マーチ(?)も小気味よい。単なる戦争アクションものではなく、人間心理を実に上手く描いている。
 「約3時間、字幕」と聞くと尻込みをするかもしれないが、多くの人が話に引き込まれてしまうのではないだろうか?
 一見の価値あり。

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ロボコップ ★★★★☆
(日本語音声有) 2000/09/09
ロボコップ
102分/1987年/監督:ポール・ヴァーホーヴェン

Story
 近未来、アメリカ・デトロイト市は犯罪に蝕まれていた。増大する犯罪に対して、市は警察業務の民間委託を決定。一大企業”オムニ社”が警察業務を執り行う図式が成立した。
 南署から赴任したマーフィー(ピーター・ウェラー)は、相棒のアン・ルイス(ナンシー・アレン)と警邏中に強盗犯を発見し、追跡。廃工場に追い込むが、逆に返り討ちに遭ってしまう。マーフィーは相棒ルイスの前で蜂の巣になり虫の息の状態で救急センターに担ぎ込まれるが、手当ての甲斐なく亡くなってしまう。
 そこに目をつけたのがED209プランに挫折したオムニ社の平取モートンであった。死亡したマーティーの頭脳をチタン合金製のロボットに埋め込んだサイボーグ「ロボコップ」誕生である。
 マーティー自身の名前はもちろん記憶も封印されていたのだが、ルイスとの会話などにより急速に封印された自身の記憶が戻り始めた。妻や子供、そして自身を殺害した犯人らの顔。その犯人を捕らえるために出動するロボコップであったが、犯人らの背後には、思わぬ人物が存在するのであった。

Impression
 私が13年前に映画館で見た映画で、その頃に思い浮かべた近未来は「こんな感じだったなぁ」と改めて感慨に浸った。
 話の要所要所でニュース番組の形態をとって乱れた世相を皮肉っぽく表現したり、ロボコップが誕生するまでの視点をマーティーのものとして固定するところなどは、見せる側の工夫が伝わってくる。映画全体として好感が持てるのは、そういった為であろう。
 映画自体はヒーローもの的な要素が強く、見た後の爽快感がある。ロボコップの続編がいくつか出ているが、「ロボコップ2」を見たいなぁと率直に思った。(続編ものはハズス事が多いのだが…)
 余談として、若干過激な表現(スプラッタ系)が含まれているので、お食事時には気をつけたいところである

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ロボコップ2 ★★★☆☆
(日本語音声有) 2000/09/30
ロボコップ2
116分/1990年/監督:アービン・カシュナー

Story
 近未来、アメリカ・デトロイト市はロボコップが登場したにもかかわらずいまだ犯罪に蝕まれていた。増大する犯罪に対して、一大企業”オムニ社”が警察業務を執り行う図式が成立していたが、警官のストライキとあいまってデトロイトは無法地帯であった。
 その中でロボコップと(ピーター・ウェラー)と相棒のアン・ルイス(ナンシー・アレン)だけが新麻薬「ヌーク」の摘発に全力で当たっていた。ロボコップは「ヌーク」の総元締ケインの居場所を突き止め追い詰めるものの、逆に解体されて無残な状態で警察署の前に捨てられてしまう。
 オムニ社は、解体されたロボコップの修理を優先せず、あろうことかケインを利用してロボコップ2号機を作成してしまう。凶悪犯罪者でジャンキーのケインを利用したコップが存在するわけもなく、当然のように暴走する2号機。 デトロイトは、そしてロボコップはどうなってしまうの?

Impression
 「ロボコップ」を見終わったとき、「ロボコップ2」を見たいなぁと思ったのだが、率直な感想は「続編っていうものは、まぁ、こんなものだよね」であった。つまらないわけでもないのだが、最初に見たときのような新鮮な驚きはなかった。
 麻薬王ケインを利用してロボコップ2を作るというところにも説得力があまり感じられなかった。ロボコップで、ロボコップ=マーフィーの図式が成立したように思ったのだが、解体されてからのロボコップはマーフィーらしさがあまり感じられなかった。この点が私的に一番残念なところである。

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エリザベス ★★☆☆☆
2000/10/07
エリザベス
1998年/123分/監督:シェカール・カプール

Story
 英国王ヘンリー8世と愛妾アン・ブーリンとの間に生まれたエリザベス(ケイト・ブランシェット)。父王の死後、イングランドは新教徒とカトリックに分裂し、スコットランドをはじめとする外国の脅威にさらされるといった状況にあった。妾の子として王位を継ぐことはなかったが、姉の死によって彼女の人生も大きく変わっていく。危機に直面したイングランドが若き女王の双肩にかかっていた。
 愛する男、ロバート卿(ジョセフ・ファインズ)と決別し、イングランドを救うために己を捨てた。ウォルシンガム(ジェフリー・ラッシュ)の協力もあり、着々と権力を固めつつあるエリザベス。その果てには、さらなる暗殺・陰謀・裏切・粛清といったお決まりの権力闘争が繰り広げられるのだった。

Impression
 以前に見た「わが命つきるとも」で、ヘンリー8世が宗教を曲げてまで離婚をしたツケが子供の人生にまで大きく影響を及ぼすとは「世の中、因果応報だなぁ」と思った。
 エリザベス役のケイトブランシェットは妖しげな魅力がありハマリ役。エリザベスの愛人役のロバート卿のジョセフ・ファインズは「恋におちたシェークスピア」のシェークスピア役だったが、なぜかこういった役がぴったりなので面白い。
 ストーリーはエリザベス朝の揺籃期の物語なので、私の思惑とはちょっとずれてしまった。エリザベスというと絶対君主のイメージが強かったもので。従って評価は若干辛めであると思う。また、見た後で清清しい映画ではないので、それなりの覚悟(?)が必要かもしれない。

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海の上のピアニスト ★★★★★
2000/11/11
海の上のピアニスト
1999年/125分/監督:ジュゼッペ・トルナトーレ

Story
 19世紀最後の年、西暦1900年。舞台は大西洋航路で欧米を行き来する客船ヴァージニアン号。この船の客室に置き去りにされていた乳呑児こそこの物語の主人公1900(ナインティーンハンドレッド・ティムロス)。時は流れ、乳呑児は成長し、同時に天才ピアニストとしての頭角をあらわしてきた。波のうねりを鮮やかな調べにかえ、自由で大胆な旋律を奏でて周囲を圧倒していた。
 1900は産まれてからこのかた船を下りたことがなかった。別に拘束されているわけではないのだが、下りたいとも思ったことはなかった。なぜなら陸は果てない欲望にあふれ、1900の手には余ると思ったからであった。
 そんな彼が初めて船を下りようと思ったのは、一人の少女がきっかけであった。
 「陸から見た海は、船から見る海と違って見るものに語りかけてくる」
 彼女を想う1900の調べは甘く切ないものだった。果たして彼は船を下りるのであろうか? 

Impression
 この作品を通じてイタリア映画の質の高さを再認識した。10年ほど前に見た「ニューシネマパラダイス」と同様、一文字で言うならば、”愁”である。
 全編にわたって回想形式ですすめていくストーリーは、下手をすると野暮ったいものになってしまうのだが、野暮ったさは微塵もない。非常にセンスが良く、久しぶりに手放しでお奨めしたい映画に出会えた。これはとてもうれしいことである。
 ただ、ひとつだけ挙げるとするならばラスト近くの部分。この部分については見る側の感じ方によって様々な感じ方があるだろうが、私は1900が現れなくてもよかったのではと思った。映画を見なければわからないことであるが、是非ご覧になって感じて欲しい一本であった。
 また、1900役のティム・ロスが非常に良かった。微妙な表情がなんとも愛くるしく、それでいて押しつけがましくないのである。若干、好き嫌いがあるタイプの役者ではあると思うが、好印象を受けた。

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ブリタニック ★★☆☆☆
2001/04/21
ブリタニック
2000年/監督:Paul Colichman

Story
 第一次世界大戦下の地中海。連合国イギリスの密命を受け武器を運ぶ病院船ブリタニック号と、同船に座している英国大使護衛のための新米女性エージェントのベラ。
 方やそのブリタニック号を奪取すべく虎視眈々と狙う枢軸国ドイツのスパイ・レイノルズ牧師。互いの正体を知らずに男と女として惹かれあうベラとレイノルズ。しかし、レイノルズの企てが破綻し、水面下に海の狼・Uボートが迫り。

Impression
 ブリタニック号は、かの有名なタイタニック号の姉妹船でオリンピック級の3番艦である。史実では客船としての実績は無く、病院船として就役中に地中海にて触雷し短い生涯を閉じている。
 そのエピソードだけを持ってきて、辻褄を合わせようとしたような映画。なんとはなしに物足りなさの漂う雰囲気となんとなくあっていないCG。私的には「B級かな?」と思った。
 タイタニック号の姉妹船にこんな船があったという意味では面白いかもしれないが あまりオススメはしないなぁ。 

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さよならゲーム ★★★
2005/04/14
さよならゲーム
1988年/監督:ロン・シェルトン

Story
 舞台はマイナーリーグ。メジャーとは段違いの待遇の中、夢を必死においかけている人々の物語。マイナーリーグ・ブルズの剛速球ルーキー、ヌーク(ティム・ロビンス)は性格とコントロールに難あり。彼の教育係としてベテラン無頼のキャッチャー、デービス(ケビン・コスナー)が招かれた。
 その二人の間に毎年お気に入りの選手をパートナーに選ぶ女性、アニー(スーザン・サランドン)が加わり、おかしな三角関係を繰り広げていく。各々の性別や年齢、経験こそ違えど、野球に対する熱い思いをぶつけ合う。

Impression
 この映画を初めて見た頃の私は大学生の頃でヌークの年代。今、デービスの年代になって改めて見てみると、若い頃に感じ得なかった肉体の衰えとそれにまつわる悲哀がとても身近に感じられた。
 それと同時に「人にとって大切なことっていったい何なんだろう?」なんてことも思ったりもした。富? 名声? 夢? 信念? パートナー?
 若者はただ上を目指す。挫折を味わった者は足元を見る。こんなことを考えさせてくれる野球っていいですね。

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