もうすぐ引退・久留里線のキハ30
プロローグ ちょうど1年前にも墓参の後に房総半島・180円大回り乗車の旅をした私ですが、 今回も墓参の後に引退間近のJR久留里線のキハ30系気動車達に会いに行く計画を立てました。 2012年8月22日、東京湾フェリーの久里浜港へとやってきました。 風はやや強かったですが、海のきれいな日でした。潮風を浴びて約40分間の船旅です。 風がやや強い分、大勢のかもめが舞っていました。船と並翔するかもめ。数々の失敗の中、ズームで撮れた1枚です。 金谷港から10分ほど歩いてJR浜金谷駅到着。君津駅から南の内房線は単線なのでダイヤも閑散としています。 南へ一駅。鋸山を越えると、私のふるさと保田駅に到着します。113系のいない現在、主力はこの209系電車です。 保田駅前には長らく空き地が広がっていましたが、この一年で京葉銀行が出来ていてビックリしました。 懐かしい街角も年々変わっていきますが、墓参を済ませ、親戚に会い、故人を偲ぶ一時でした。 木更津駅へ さて、保田駅を出発して北上開始です。8駅・40分ほど車窓の海を眺めていると木更津駅に到着です。 この前に木更津駅に来たのは、25年位前に久留里城へ訪れた時です。25年前は城好き、今回は鉄好きとして。 今回ここを訪れたのは、久留里線を走っている引退間近の気動車を見る為。 久留里線は、木更津駅から久留里駅を経て上総亀山駅に向かう非電化路線ですが、 車両老朽化の為、この秋(2012年秋)からキハE130形100番台が導入されるそうです。 これに伴って既存のキハ30・37・38が引退していくとのことなので、 「現役の内に見に行こう!」とばかりに来た次第です。 折りしも内房線(蘇我〜木更津間)と久留里線(木更津〜久留里間)は開業100周年。一風変わったキャラクターも登場です。 菜の花を背景に左が内房線の「ウチ」、右が久留里線の「クルリ」。『南総里見八犬伝』ならぬ『房総発見電』だそうです。 ウチとクルリの他にも駅長犬がいます。正面に回るとヘッドマークも付けていますが、こちらは犬でなく狸のキャラクター。 横須賀でいつも見ているE217系が、下り3番線に到着。「東京湾をぐるっとよく来たな!」と声を掛けてあげたくなります。 4番線が久留里線の始発線です。この0キロポストから終点・上総亀山駅までの32.2kmが営業区間となります。 引退間近のキハ30です。豚っ鼻のシールドビームや国鉄色、外吊式の乗降扉、特徴をしっかり残していますね。 片開きドアのキハ37や両開きドアのキハ38も引き上げ線に憩っていました。 DE10-1704も車庫に憩っていたので、ズームでパチリ! そうこうしていると、久留里発木更津行が到着しました。 気動車なので当たり前ですが、近くでディーゼルエンジンの音を聞くと、トラックのエンジン音と同じ様に感じます。 利用する人にとっては新型車両の方が便が良いでしょう。 しかし、私の様なおじさんにしてみると、 子供の頃に普通に見ていたor乗っていた車両がなくなっていくのは、かなり寂しいことです。 若い頃はあまり理解できなかった感情で、これがノスタルジーというものなのでしょうね(笑)。 ついでに五井駅へ 木更津駅を後に5駅・20分ほど北上すると、五井駅に到着します。五井駅は小湊鉄道の始発駅なのです。 終点・上総中野駅までの39.1kmを経て、接続しているいすみ鉄道を介して太平洋岸の大原駅へ半島を縦断する路線です。 ここで活躍する小湊鉄道キハ200型気動車も、キハ20形に準じたデザインでなんともレトロな外観です。 このキハ200型の運転席に座り、五井駅構内約200mを往復する運転体験(予約制)が土曜日に実施されているようです。 構内には工事用と思しきレトロな貨車も無造作に停まっていましたが、なかなかお目にかかれない光景です。 JRのものと比べると、旧国鉄風の小湊鉄道の駅名板は良い雰囲気でした。 今回は時間の都合で乗れませんでしたが、有名な木造駅舎の上総鶴舞駅や養老渓谷などなど。次回是非巡ってみたいです。 エピローグ 明るい内に浜金谷駅まで戻って来られました。あの房総半島一周の時とは大違いです。 帰路も東京湾フェリー。夕日を浴びてキラキラ輝く海面はとても綺麗でした。身近な船旅、オススメです。 東京湾フェリーさんも3隻体制から2隻体制になり、経営的にも大変そうです。個人的に応援しています! お盆にできなかった墓参もできて、ぎゅっと詰まった様な愉快な日帰り旅でした。 今回縁のなかったいすみ鉄道(大原〜上総中野間)では、週末にキハ52も走っており、房総半島はいまだ気動車王国です。 久留里線キハ30系の引退こそ寂しいニュースですが、都心からこんなに近いところに沢山のノスタルジーが詰まっています。 私のノスタルジーに共感できるご同輩の皆様、南房総へ出掛けてみてはいかがでしょうか? Copyright(C) 1998-2024 のなか通信 All Rights Reserved |