車両工作
C62のプラモデル作成
アリイ社製 C62 1/50スケール

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アリイさんから発売されていた1/50・C62(シロクニ)のプラモデルを手に入れることができました。


早速ですが、今回は梅小路機関区に動態保存されているC62 2の北海道時代を作ることにしました。
何故2号機かというと、キットに付属しているナンバーが2、26、34号機だったことと、
これも付属のつばめマーク入りのデフレクターが私の心を掴んでしまったためです。

いつもの通り、私なりの気持ちをこめて作りたいと思います。

果たしてどんなC62 2が出来るでしょうか?

素人工作の記録として、はたまた同種キット作成の参考としてお読みいただければ幸いです。



足回りの工作

まずは足回りの作成から取り掛かりました。C11の時にもそうでしたが、パーツ成型が結構荒いので整えながらの作成です。


先台車、従台車、テンダー台車ができました。


動輪パーツもキットのままだとこの通りですので・・・


バリを取って、ピンバイスでレンコンのように見通しを良くしました。


ヤスリで均して、動輪ができました。


次にロッド類の作成に取り掛かります。


このキットの一つの美点として、ピストンの往復運動が回転運動に変換される仕組みが良く理解できることが挙げられます。

つや消し黒や黒鉄色、メタリックグレイを調色してちょっと渋めな塗装を心がけてみました。


足回りの工作が出来上がりました。
古いキットなのでパーツの成型が悪いのはもちろん、部品の数も多かった。。。
これだけの工作でしたが、結構な時間を費やしました。



ボイラー周りの工作

キットの蒸気ドーム砂箱後部形状が2号機のそれとは異なります。具体的に書きますと、キットのものは砂箱の前後が同じアール形状で構成されています。
2号機の蒸気ドーム砂箱は後部の形状がなだらかなタイプですので、その部分をパテで裏打ちした上で、後部がなだらかになる様に削り込みました。

C62 2のボイラーは、キットと砂撒き管のなどのモールドが異なります。そうでなくとも自ら配管作りをすることとなりそうです。


砂撒き管や空気作用管などのモールドをカッターやヤスリなどで削ぎ落としました。


0.3mmの銅線を利用し、実車写真を参考に新たに空気作用管を構成していきます。






非公式側にも配管を作っていきました。発電機も設置し、内蔵の砂撒き管も作る準備です。


砂撒き管には太さが適当な半田を使いました。作成したドーム前の手摺や砂箱蓋のモールドなどを取付けました。



ボイラー部分もだいぶ出来てきました。



キャブ(運転室)の工作

キャブもそのままではちょっと寂しいので、複製した車輪パーツや銅線などを利用してデコレートしました。
火室の蓋に穴を開け、着色してみると、ちょっとそれっぽく見えてくるものですね。完成するとほとんど見えない部分ですが、自動車のプラモデルやフルカウル・オートバイのエンジンの様に、裏地のお洒落(=自己満足)ですね。

覆いをつけ、麦球を利用して火室と屋内照明を組み込みました。


C62 2はキャブ後ろ褄に窓があるため、次はその作成です。左はピンバイスを利用して開口したところ。
塞ぐ所は塞ぎました。
開口した褄板窓に0.3mmの真鍮線で作った格子を取り付け、屋根後端には1.2mmの針金を利用して石炭散水管を作成しました。
次はタブレットキャッチャーを作成しようと思います。まずは現物写真をじーっと見て、いかに一筆書きでできるかを考えます。そして、0.55mmの針金を利用してパーツを工作していきます。
半田を利用して接合し、左右の部品が出来上がりました。

タブレットキャッチャーやプラ板で作ったヒサシを取り付けたところ。タブレットキャッチャーは動かすことができます。


雨樋を兼ねた手摺も作成しました。キャブ周りはだいぶ2号機に近づいた気がします。


蒸気機関車のプラモデル作成は2回目ですが、キャブ周辺を作っているときはなんだかウキウキしてしまいます。



前周り・ランボード周りの工作

早速ですが、ヘッドライトと副灯を点灯させるべくLEDを組み込みました。副灯は流用パーツです。


回転式火粉止めとその配管も作成。因みに回転式火粉止めは、網戸の網とラバーグリップなどを流用してそれっぽく。


直列に接続したLEDの点灯テスト。雑な配線ですが、取りあえず大丈夫でした。


デフレクターや汽笛、灰箱などのランボード周りの部品も取付けて、いよいよ蒸気機関車らしくなってきました。


余談ですが、この工作中に半田ごてを落として足に軽い火膨れを作ってしまいました。
自戒の意味をこめて、半田ごての取扱いには気をつけましょう。



テンダー(炭水車)の工作

テンダーには後部ヘッドライトと尾灯を点灯させるべく、前と同じくLEDを組み込みました。




次に2号機に搭載されていた重油タンクを厚紙で作成します。


真鍮線と流用パーツでこれもそれっぽくできた気がします。



重油タンク周辺もディールアップ中。



割り箸を薄く切り、マッチ棒も駆使して、増炭板を作成です。



”割り箸???”と思われるかもしれませんが、意外と本物の木目が良い感じです。



キャブ側もちょっとディティールアップ。ここもほとんど見えなくなってしまうんですけどね。



石炭はキット付属のものをベースに園芸用のパーライトで目の細かさを表現してみました。



取り外しできる様に作った木工用ボンドで固めた石炭ブロックです。良い質感になったと思っています。



主役の機関車に比して、脇役の炭水車はともすれば手を抜きがちですが、少しだけ気張ってみました。



C62-2へのディティールアップ工作

フロント部分を中心に、C62 2に近づけるための細々した工作をしたいと思います。
最初にキットの煙室扉のハンドルが非常に気に入らなかったので、0.55mmの針金と半田で作ることにしました。
私の不器用な手先ではこれが限界。こんなものですが、作成には1日中首っ引きで半田と格闘しました。

それでもキット付属の煙室扉ハンドルよりは良くなった様に感じます。
2号機のデフ下の補強板はアルミ板を利用して作成しました。現物合わせで寸法を採り、先端ポンチを利用して裏から軽く叩いてビス止め表現を施してみました。
煙室扉前下のシンダー除けは0.2mmのプラ板で工作。ブレーキホース、連結器周りの鎖なども真鍮線や針金を利用して表現してみました。
3mmの丸棒と0.3mmの真鍮線を利用して標識灯も作ってみました。
前後で都合4個の作成です。設置スペースの関係で、前後で大きさが微妙に違っています。
C62 2と言えば、北海道。北海道の蒸気機関車と言えば、このスノープロウです。やはりこれが装着されると一段と格好良くなります。

今回もC11の時と同様、厚紙でスノープロウの作成です。

これらの工作で前梁とその足回りが締まった気がします。いかがでしょうか?


キャブやテンダーも、もうちょっとディティールアップです。
旋回窓とツララ切りの金網を表現してみました。よく見るとかなり違いますが、雰囲気はこんな感じだと思います。網戸の網、プラ棒、針金を利用して作りました。
厚紙と真鍮線を利用して作ったのが、運転席の窓に付属する風防であるバタフライスクリーンです。非常に簡単なものですが、あると良い感じになります。
Q.厚紙を切り出したこれはなんでしょう?
A.テンダー下に付属するATS車上子です。これも簡素なものですが、シルエットは効果的です。
テンダー後梁の下に位置するテンダー排障機です。これもプラ板と厚紙による工作です。
こちらはお遊び。

ちょっと中心がずれてしまいましたが、手書きでヘッドマークを作ってみました。こちらは北海道で牽引したニセコ号のヘッドマークです。
こちらは本州で牽引したつばめ号のヘッドマークです。ちょっとしたお遊びです。

これらを経て、いよいよC62 2の完成です。今回はつや有塗装を施してみました。



C62-2の完成

手前味噌ですが、色々な写真を撮ってみましたので、長いですがどうぞご覧ください。


小樽築港機関区時代、ランボードに白線が入ったばかりの時期をイメージして作りました。

しかし、参考にした写真に梅小路機関区移籍後のものが多かったので、恐らく細かな箇所ではツッコミどころも多いのではないかと思います。
テンダーと機関車の接合部はどの様にするのが良いか悩みましたが、上の写真の様にパイプを模した針金を連結時に上手く噛み合わせる事で、連結の強化と模型としての密度という一石二鳥の効果を得ることができました。

本当はストーカー(自動給炭機)も連結強化に役立つように作りたかったのですが、テンダーとキャブ両者の高さの都合でテンダー側のみの表現としました。

重油タンクも色を塗ってしまうと紙製には見えませんね。

完成まで足掛け3ヶ月かかりましたが、何とか完成しました。

C11の時にも使った100円ショップで売っているケースでは、機関車とテンダーが一緒には入りきらないのが悩みです。
つや有仕様なので、少しでも埃が目立ちます。何とかしてやりたいなぁと思っておりますが、
アクリルケースは安いものでもこの工作にかかった費用を軽く超えてしまうため、本当に困ったものです。




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