車両工作
旧製品なC62に愛情を注ぐ
KATO C62(203)

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C62のNゲージモデルといえば、長きに亘ってKATOさんの品番203(↓)の独壇場でした。

モデルの設計こそ古いのですが、各部のデフォルメはGoodです。ボイラーの太さ感なんて、本物以上に本物っぽい気がします。
約1/140とデカイのですが、よく走ってくれました。しかし、寄る年並みには敵わず、2004年にカタログ落ちとなりました。

2007年に新製C62(品番2019↓)が同じくKATOさんより発売され、その出来の素晴らしさには本当に驚嘆しました。

前照灯は点灯し、フライホイールが効き、スケールも1/150を遵守。別パーツを駆使してディティールも上々です。
何よりキャブにモーターがないことこそが、30年以上の進化の証であると感じました。

そんな素晴らしい出来栄えの新C62の好調とともに、旧C62はお値段的にも大変入手しやすくなりましたし、
ディティールアップパーツなども中古市場でもお手頃な価格で入手することが出来るようになっております。

プラモデル作成以来、大好きになったC62なのですが、なかでも”つばめ”エンブレムの2号機がお気に入りです。
今回は私としては珍しく、下の様なディティールアップパーツを利用してニセコ牽引時代の2号機作成を目指します。

C62北海道仕様パーツセット
セット内容

 スノープロウ
 副灯
 回転火粉止
 
デフ点検用窓枠
 ドーム前手摺
 ATS発電機
 
防護金網
 旋回窓
 バタフライスクリーン
 タブレット受け
 水撒き管
 
増炭囲い板
 耐寒用前照灯
 吊金具
 ATS車上子
グレー文字の部品は、今回は使いませんでした。

C622号機東海道仕様セット
セット内容

 エアホース
 解放テコ
 
デフ用手摺
 煙室扉エプロン
 前端用ステップ
 排障器
 汽笛
 乗務員用ステップ
 重油タンク
 テンダー用手摺
グレー文字の部品は、今回は使いませんでした。

主灯や煙室扉ハンドル、砂箱蓋、標識灯なども銀河モデルさんの別途パーツを求めましたが、
2号機の大きな特徴であるつばめマーク入りデフレクターには、KSモデルさんのC62 2号機用デフ(No.103)をチョイス。
ナンバーとメーカーズプレートには、やえもんデザインさんのC62ナンバー(Y-033)を選びました。

愛着の深い旧製品を使って、愛着の深いC622を作り上げたいと思っております。



ボイラー工作編

分解した上で、まずは既存のモールドの削ぎ落としからはじめます。
とは言っても、すべてを削ぎ落とすのではなく、手摺や砂撒き管などに焦点を絞っての切削です。

カッターや彫刻刀、紙やすりなどで地道に手摺などのモールドを切削し、サーフェイサーを吹いたところです。

空気作用管や電線を0.23mmの銅線で再構築します。砂撒き管は内蔵ですが、0.3mmの真鍮線にて。

いつもの我流な手摺です。メインの手摺は0.3mmの真鍮線に0.23mmの銅線で支柱を構築します。

いよいよディティールアップパーツの出番です。副灯、火粉止め、ATS発電機や手摺などを植え付けます。

砂箱蓋は”型想い”とエポパテでケチって複製したもの。箱類はプラ板を利用してそれっぽく。

キャブ周りにも水撒き管、タブレットキャッチャー、バタフライスクリーン、ステップなどを植え付けていきます。

キャブ褄面の窓とその格子も表現してみました。

いよいよ”つばめ”マークの入ったデフとナンバープレートの取付です。テンションがかなり上がります。

煙室扉ハンドルや解放テコ、煙室扉エプロン、標識灯と取り付けていくと、2号機らしい顔になってきた気がします。

ボイラー周りもだいぶ密度が上がってきました。次はテンダーの工作です。



テンダー工作編

テンダー(炭水車)には、重油タンク、耐寒用前照灯、フック、標識灯、ATS車上子を取り付け、梯子や手摺を0.3mmの真鍮線で改めて作り直しました。
いつもならばカプラーはアーノルドなのですが、いずれ3号機との重連も視野に入れ、マグネットカプラーを利用してみました。

パーツを付けるだけで「簡単、簡単!」と思っていたら・・・

2号機は重油タンクと増炭板の間が開いていることを思い出してしまいました。仕方ないので重油タンクを外して、下の写真のように切り込みを入れて対応しました。

開いた穴には裏からプラ板を貼って目隠し。増炭板には割り箸を薄く切ったものを利用しています。

石炭もちょっと少ない気がしましたので、アクセントということで少し多めに積んでもらいました。

見ての通り、石炭の素材は線路のバラストです。木工用ボンドを溶いて固着しています。

こうしてテンダーも出来てきました。



ヘッドライトの点灯編

ご存知の通り、旧C62はヘッドライトが光りません。
何とか光らせたいと思うのですが、設置スペースが狭いようです。

そこで、麦球が入る大きさだけダイキャストを削ることにしました。切削にルーターを利用しましたが、これだけ削るのにも結構骨が折れました。

しかし、スペースさえ出来れば得意の力技です(笑)。

へっこんだ部分に麦球を接着し、片側をダイキャスト、もう片側を絶縁した上でモーター端子から延ばした銅線に繋ぎました。

すると、下のように光ります。
ヘッドライトパーツには、KATOさんのASSYパーツよりC57-180用 テンダーライトを利用しました。

プリズムを仕込むスペースがないので利用したテンダーライトなのですが、結構良い感じで光ってくれます。

それと、煙突の穴を裏から塞がないと、火粉止め越しに光が漏れてしまいますので、ご注意を。

子供みたいな感想ですが、ヘッドライトが光るのは嬉しいです。



塗装編

大まかに出来てきた状態です。金属部分が多いので、下地処理としてメタルプライマーを吹き付けてあります。

そして、塗装したのがこれです。足回りをつや消し黒、ボディーは自家製黒。ロッドには黒鉄色を溶いたものを。

ランボードの白線は製図用品の烏口を利用しました。一般には馴染みがない道具ですが、慣れるととっても便利です。
この後、細かな部分の色差しやシールを貼って、仕上げに半光沢スプレーをサッと吹きました。



完成編


ようやく出来上がりました。色々な角度から写真を撮ってみましたので、どうぞご覧ください。
どうでしょう、C62 2号機に見えますでしょうか。30年前にこのC62を持っていたら、友達に自慢が出来そうな程度には出来た気がします。

今回の工作、私としましてはヘッドライトも光るようになって結構満足しております。普段は貧乏工作の多い私でも、お金をかければそれなりの物は出来てくれるのだと思いたいところです。

一番の大問題は、その”お金”がないことですが(笑)。

最後まで”つや消し” or ”半光沢”かで悩んだのですが、
「つや消しはパステルなどを使えばいつでも出来る・・・はず」
と思い、結局半光沢で仕上げました。つや消しの方が工作の粗は隠せるんですけどね。

現行品と比べると、キャブ内のモーターやそもそもの縮尺など色々と難点はありますが、私にとってオンリーワンの1両となってくれたことは間違いないようです。

いつになるかはわかりませんが、次は3号機を作成したいと思っております。もちろんこのスケールで(笑)。

※その後3号機が完成し、ゴールデンコンビが結成されました



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