車両工作
C57+C62+D51=C61形蒸気機関車を作る
KATO C57 (2007)&C62(203)&D51(206)

鉄道模型工房のTOPへ


後日編1 (2011/03/31)  後日編2 (2011/04/15)



エピソード

片側の合併テコ欠品のジャンク品でだいぶ前に手に入れたいたC57(↓)。

合併テコは針金で補ってあげて元気に良く走るのですが…、思い入れもなく、なんとなく持て余していた機関車でした。

これに加えてD51とC62のジャンク品を手に入れました(写真は参考写真)。

D51は蒸気溜欠品、右側ロッドなしだけとまだましなのですが、

C62に至っては、デフなし・ロッドなし・テンダー台車なし・ヘッドライトなし・・・。
「部品箱へ直行!」と言った状態でした。

こんなジャンク蒸気機関車が手元にある一方、気になっているのはC61形蒸気機関車。
C61と言うと、現在JR東日本がC6120の営業運転へ向けて修理中とのことで有名ですが、
C61はC57の車体にD51のボイラーを載せた改造機と言われています。
今回は3両のジャンク蒸気機関車を利用して、話題のC61形蒸気機関車を作ってみようと試みました。

一昨年来C62やC57-135が相次いでリニューアルされ、今秋にはKATOさんからD51-498が発売される予定です。
これら素晴らしい新製品でのこんな工作は恐れ多いですが、旧製品ジャンクを使ってならば私にも出来ます(笑)。

お気に入りのC61に作り上げたいと思っております。



構想編

C61の写真などを参考にした結果、下の様にパーツを組み合わせていくことを計画しました。
利用部品 主な理由
先台車 C62 軸配置が2C2、かつプレート先輪のため
動力 C57 一番元気でモーターの大きさ的にも扱いやすいため
従台車 C62 C61はC62同様2軸の従台車のため
ヘッドライト C57 C57の点灯機構をそのまま活用
ボイラー D51 C61のボイラーの大まかな形はD51なため
キャブ C62 C61は密閉キャブのため
また、モーターの大きさとの整合も取れるため
テンダー D51 長さや後部形態もちょうど良い(?)
但、キャブ側妻面の形状・丸っこさが難
テンダー台車 C57 本当はC62の台車を使いたかったが…
手持ちのC62はテンダー台車が欠品
集電機構もそのまま活かせるため

「C57を使わないで、C62の動力をそのまま使っちゃえばいいのでは?」
とも考えられるのですが、C62の動力はボイラー部分の太さが太く、
D51のボイラーがそのままでは被さりません。
ダイキャストを削るのは気が遠くなるので、C57の動力をベースにしています。

画面上で仮に組み合わせるとこんな感じ↓。

※赤がC62のパーツ、緑がC57のパーツ

C57+C62+D51=
C61
この構想や考察のために、実は工作以上に時間を費やしました。

こういうことを考えているときが楽しかったりするのだけど(笑)。



工作編

まずはC57のドローバーにC62の従台車を固定する工作です。

と言っても、ピンバイスで適当なところへ穴を開け、真鍮線を利用して緩やかに縛り付けると言った乱暴なもの。でも、無理なく可動しているようです。

また、先台車も下の写真の様にC62のものへと交換。

ボイラーはD51のもの。旧製品ですのでデフの点検口がないタイプです。給水温め器が欠品なのは好都合。

D51のキャブも取っ払って、C62のキャブを慎重に位置決めして接着しました。隙間はパテ埋め。
次にボイラー周りのディティールに手を着けました。

給水温め器の取付部分を平滑に削り取り、元々のヘッドライトも取り外しました。そして、C57のヘッドライトが付けられる様にデザインナイフで角穴を穿って問題なく取付けました。

連結器周りは解放テコ、乗務員用ステップ、スノープロウをちょこちょこと作っては取付けていきました。

下の写真の通り、汽笛のモールドも削り落として現行C62用のASSYパーツを利用しました。

さらにボイラー上の掴み棒や省略されている一部の空気作用管や発電機排気管なども0.3mmの真鍮線等で工作。

テンダーはD51のものに交換。そのままでは車輪やロッドと差し障るので、ボイラーの内側も削ったりもしています。

先程取り外したヘッドライトをテンダーへ移植。
テンダー上の掴み棒を真鍮線で工作し、その下には客車用梯子のASSYパーツを利用してみました。

キャブ下のステップにも同様に利用してみました。梯子は自作するのが大変なので、持っていると便利なパーツですね。

C61では煙室扉前の端梁にある給水温め器。この高さが足りない気がしたので、プラ板で気持ち嵩増し。

補助灯はいつもの1.5mmのつぶし玉とプラ板などで自作。手摺やキャブ下配管などもコツコツと増備。

だいぶ形が出来てきました。



塗装編

金属部分にプライマーを塗ってから、コバルトブルーを少しだけ入れて調色した黒を吹き、各部に色差しを施しています。
ナンバーはC6128に決めていました。C61-28は、昭和23年にD51-904から改造された蒸気機関車です。

このナンバーにした理由は、昭和40年代前半頃の28号機にはデフの点検口がないことと、この時期に仙台以北で活躍していたこと。スノープロウは北国仕様ですので、28号機は適任です。他には思い入れはなかったのですが、作っていると不思議と愛着が沸くものですね。

ナンバープレートや製造銘板などもそれに合わせてお絵かきソフトやEXCELで作成し、いつものシール(上写真)にプリントして作成。

キャブ窓には半開き状態の窓表現で透明プラ板を入れましたが、結構効果的でした。

都合4箇所に付けた 「架線注意」の標識は、写真が光って見えやしませんね。切り出すの大変だったのに(笑)



完成編


銀河モデルさんのパーツなどを利用すればもっと完成度は上がるのでしょうが…、相変わらずの貧乏工作。何とか完成です。
ドライブラシとパステルでのウェザリングして、最後はつや消し仕様で仕上げました。落ち着いた良い感じになったと自分では思っております。ピカピカのお召機ではなく、働く蒸気機関車の息吹が伝わるようならば成功と言ったところですが、果たしてどうでしょうか?

残念なことは、キャブ下のディティール(ステップや雨樋など)を増やしたために従台車の稼動範囲が狭く、C280以下のカーブでは車体が傾き、集電不良を起こしてしまうことと、ウエイト不足による牽引力不足を起こすことがあります。

この辺の片手落ち感が私らしいところなのですが、我が家のD51とプルプッシュで助け合いながら、矢立の峠を越えて行きたいと思います(笑)。




おまけ&比較編

おまけでヘッドマークを作って装着してみました。

20系客車を牽かせて昭和40年代初頭の東北特急のイメージで。

まぁ、固いこと抜きの雰囲気で楽しめるところも模型の良さです。



KATOさんの旧C62と現行D51と並べてみました。両側を足して2で割ったような中央のC61形機関車です。

スケールが同じなので当然ですが、背丈もディティールも揃っています。

前で揃えています。遠近法に逆らわずに揃っていますね。


次にKATOさんのC62-18とTOMIXさんのC57-135を借りてきて並べてみました。

旧製品のボイラーの太さはD51なのにD52並ってことですね。背も高いし、車両限界を超えちゃっていますね。

前で揃えていますが、真ん中の奴、長っ!

教訓:旧製品は旧製品同士、リニューアル品はリニューアル品同士で使いましょう。


さらに凄いのと並べてみました。ATOMICさんの販売しているラジコンD51-498(1/40スケール)です。

これと比べちゃうと、旧製品の大きさもリニューアル品の大きさも気になりません!

しょーもない比較でした(笑)。



後日編1 (2011/03/31)

前々から気になっていたテンダーの形状を変更しました。

これまではD51のテンダーをそのまま使っていましたが、今回前方をC62のものに付け替え、
晴れてストーカー(自動給炭機)が装備され、機関助士さんも大喜びのはずです(笑)。

切り継いだ部分の痕跡消去に少々苦労しましたが、機炭間も短くなり、自分なりに満足な結果となりました。

石炭はバラストを木工用ボンドを溶いたもので固着したものです。

また、ささやかなディティールアップです。
砂箱の蓋を取り付けてみました。

前回の工作からおよそ半年。
改めての完成となりました。


これからも折々にディティール工作を続けたいと思っています。


後日編2 (2011/04/15)

レボリューションファクトリーさんから出ているC61の真鍮製ナンバーを手に入れました。


遅きに失した感もありますが、やはりナンバーの印象は大事ですね。



車両販売中

私のお店、アークウェブショップにてどうぞ

このページのTOPヘ


Copyright(C) 1998-2011 のなか通信 All Rights Reserved